1582年6月2日、京都の本能寺で天下統一目前の織田信長が家臣・明智光秀の謀反によって命を落としました。
この「本能寺の変」は、歴史好きなら誰もが知る大事件ですが、最大のミステリーは”なぜ光秀が信長を討ったのか?”という動機が今なお解明されていないことにあります。
2023年放送のNHK大河ドラマ『どうする家康』では、終盤に徳川家康が「信長を殺す」とつぶやく演出があり、視聴者の間でも「家康黒幕説」に火がつきました。
この記事では、そんな「本能寺の変 黒幕説」に焦点を当て、代表的な6つの説を紹介していきます。
歴史に正解はありませんが、さまざまな可能性に触れることで、あなたなりの“真相”を考えるきっかけになれば幸いです。
豊臣秀吉 黒幕説――一番得をした男
信長の死によって最も得をした人物といえば、後に天下人となる豊臣秀吉。
信長の死直後、中国地方から猛烈なスピードで京都に引き返した「中国大返し」、その後の山崎の戦いでの勝利、そして一気に台頭した政治的地位……。
これら一連の流れを見ると、「最初から本能寺の変を知っていたのでは?」という疑いを持たれても無理はありません。
信長に援軍を要請した直後に変が起きたタイミング、毛利との迅速な和睦など、用意周到すぎる点も多く、陰謀論の余地を残しています。
徳川家康 黒幕説――信長を討つはずだったのは家康?
明智憲三郎氏が提唱した説では、「もともと信長は家康を討つつもりで本能寺に呼び寄せていたが、それに気づいた光秀が家康に情報を流し、共謀して信長を討った」とされています。
実際、家康は本能寺の変の当日、少人数で堺を遊覧中という絶好のタイミングに信長から離れた場所にいました。また、家康の信頼厚いブレーン「南光坊天海※」が実は光秀と同一人物だったという説も、この流れで再注目されています。
※天海については逸話の域を出ないので話半分で…
この説が真実なら、家康の天下取りはまさに「陰謀の果て」にあったことになります。
毛利氏・安国寺恵瓊 黒幕説――毛利氏滅亡を恐れた外交僧の策謀?
信長の東方進出によって、次に狙われるとみられていたのが中国地方の毛利氏です。秀吉と毛利はすでに交戦状態にあり、安国寺恵瓊は毛利側の外交僧として和平交渉などを担当していました。
この恵瓊が光秀や秀吉と内通し、信長暗殺をけしかけたという説があります。秀吉の政権下で恵瓊や毛利輝元が重用されたことも、その裏付けとされることがあります。
仏教勢力 黒幕説――信長への怨念
石山本願寺や比叡山延暦寺に対する信長の苛烈な焼き討ち・弾圧政策は、仏教界に深い恨みを残しました。
光秀自身、比叡山焼き討ちの実行部隊を務めており、当時「非道さに心を痛めていた」とも「率先して加担していた」とも言われています。この複雑な立場が、仏教勢力と光秀の間に何らかのつながりを生み出した可能性も否定できません。
朝廷・公家勢力 黒幕説――信長の“皇位簒奪”を恐れて?
近年注目される説のひとつに、「信長が安土城に天皇を迎えるつもりだった」というものがあります。実際、発掘調査で安土城に清涼殿を模した建物を建てていた痕跡が確認されています。
これが事実であれば、朝廷や公家たちにとって信長は自分たちの地位を脅かす存在だったでしょう。特に近衛前久などの公家が光秀に働きかけ、信長討伐を仕掛けたとする説もあります。
秀吉が関白に任命された背景にも「朝廷が信長のような独裁者を生まないため、懐柔策として出世させた」とする見方も。
足利義昭 黒幕説――将軍の復権を目指して?
京から追放され、将軍職を失った足利義昭も信長に深い恨みを抱いていました。義昭と光秀は旧知の仲(光秀は元幕臣だった)であり、義昭が光秀を説得し幕府再興の夢を託したという仮説も存在します。
実際に変後すぐに光秀が義昭と連絡を取ろうとした形跡もあり、この説にも一定の根拠があります。
長宗我部元親と“板挟み”になった光秀──外交関係の破綻が引き金に?
本能寺の変の直前、織田信長は四国の長宗我部元親に対して、それまでの和平路線から一転、武力による服属を迫るようになります。
この外交方針の転換により、元親と信長の間を取り持っていた明智光秀は一気に「板挟み状態」となります。さらに、光秀の重臣・斎藤利三は元親の義兄弟であり、家としても強い結びつきがありました。
近年発見された「石谷家文書」からは、光秀が四国政策に深く関与していたことが裏付けられつつあり、この外交破綻が光秀を絶望させ、信長討伐を決断させたとする【四国説】が注目されています。
以上のように、本能寺の変にはさまざまな黒幕説が存在します。
現代に至るまで明確な動機が解明されていないこと、光秀の手際の良すぎる行動、関係者の不自然な出世や沈黙、そうした多くの状況証拠が、謎をより深くしています。
黒幕がいたのか、いなかったのか──その答えは現代の私たちが考察し続ける限り、決して一つに収束することはないのかもしれません。
あなたはどの説が最も信ぴょう性があると感じますか?
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